Active Learningって本当に教育効果を高められるの?=多くの教師が持つ疑問=
「Active Learningでは今の受験には対応できない」。指導法を変えない理由としてよく教師が口にする言葉です。9月カナダ・オンタリオの学校でこの話を現地の校長や教育長経験者とした時に「それは、試験が悪いんだね」と一蹴されました。確かにその通りです。学習者の将来を広げることを可能にする教育が必要であり、それらの知識、技能などの素養を測るアセスメント(評価)が必要です。2020年からの変化はその方向に沿ったものであることを祈るばかりです。
皆さんよくご存知の通り、海外では何らかの主張を行う際に、研究結果やデータ及びデータ分析結果の裏付けが求められます。Active Learningへの転換を推進していらっしゃる先生方の主張を支援する論文をご紹介します。古い論文ですが、2004年7月のJournal of Engineering Educationに掲載されたものです。 ここでは「結論」のポイントのみ紹介します。
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高橋一也先生著書「世界で大活躍できる13歳からの学び」から
- 日本の教育「知っていることの教育」世界の教育「理解する教育」
- グローバル教育(つまり世界の潮流は「ICT技術のフル活用と現実問題を通じた学び、さらには協働作業」
- 「先生と生徒が向き合い先生が板書したのを生徒が書き写すという授業は認知心理学的に最も効率が悪いという結果が出た」
- 構築主義(Constructionism) Seymour Papert 「人は自分から学ぼうとするもので「ことば」という道具をつかって他の人と協働で作業すると学習効果が高い
- 1970年頃から認知革命
- コミュニケーションや他者との関わりが学習効果に大きく影響を与える
- フロー体験(Flow) 人間がそのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴づけられ、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功しているような活動における、精神的な状態をいう。
- 明確な目的(予想と法則が認識できる)
- 専念と集中、注意力の限定された分野への高度な集中。(活動に従事する人が、それに深く集中し探求する機会を持つ)
- 自己に対する意識の感覚の低下、活動と意識の融合。
- 時間感覚のゆがみ - 時間への我々の主体的な経験の変更
- 直接的で即座な反応(活動の過程における成功と失敗が明確で、行動が必要に応じて調節される)
- 能力の水準と難易度とのバランス(活動が易しすぎず、難しすぎない)
- 状況や活動を自分で制御している感覚。
- 活動に本質的な価値がある、だから活動が苦にならない。
(以上、ウイキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%BC_(%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6))
- 「考える(Think)、作る(Make)、共有する(Share)」を基本とした授業をすることで学びが生まれる。遊びが学びになり、学びが遊びになるとき、最高の学習体験が生まれる。
- 「学び」と「勉強」3つの違い 1. 学びは、答えをすぐに見つけることではない 2. 学びは、考え、発見する楽しみ 3. 学びは対話すること
- 勉強ばかりの人は大学で伸び悩む「勉強はゴールが決まっている。正解が決まっている問いに対して最速で最効率のプロセスを追求する作業。これに慣れきっている学生はハウツーが分かれば心に平安が訪れ、答えのない状況になると不安になる。逆に学びに慣れている人は大学に様な学問を追求する場で自分の得意な分野を見つけて伸びることが多い」
- 「凡庸な教師はただしゃべる。よい教師は説明する。すぐれた教師は自らやってみせる。そして、偉大な教師は生徒の心に火をつける」
- 効率的な学びとは「学び内容が変化したとしても、どうすれば効率よく基礎的な知識を身につけられるのかが重要なスキル。子どもたちがよりよくまなぶためには自分にとって意味あるものをつくることが重要である(構築主義)」
- 学習習慣をみにつけさせる「学習習慣を身につけさせる最大の目的はメタ認知能力を鍛えること」
- 「自己調整学習」Dale H. Schunk ゴールから今の時点を逆算して考える。"Think Backward"
学習の認知的研究からの重要な10の知見
知見1
「学習は、本質的に学習者によってなされる活動である」 知見2 「最適な学習は、既有知識を重視し考慮に入れる」 知見3 「学習は、知識構造の統合を必要とする」 知見4 「最適な学習によって、概念、スキル、メタ認知能力をバランスよく獲得できる」 知見5 「学習は、知識の基礎的要素の階層的な組織化により、さらに複雑な知識構造を最適に構築する」 |
知見6
「最適な学習によって、心の中の知識構造を組織化するために外部世界の構造を活用出来る」 知見7 「学習は、人間の情報処理能力の限界により制約を受ける」 知見8 「学習は、感情、動機、認知のダイナミックな相互作用から生まれる」 知見9 「最適な学習は、汎用可能な知識構造を構築する」 知見10 「学習は、時間と努力を必要とする」 |
動機付けの8つの主要原則 |
学習の7つの原理
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学習動機に関する小論文
アクティブラーニングの代表的な手法一覧
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平成27年度学力学習状況調査の結果「学力向上につながる授業での工夫」
これからの授業作りに関する文部科学省の資料
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メタ認知について
Learning Profiles
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Thinking Tools / Graphic Organizers
共同学習の基本理解 Think Pair Share
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学力向上と学習意欲向上につながる授業づくりの基本(チェックリスト)
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アクティブラーニング手法理解一覧表
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Bloom's Taxonomy分類カテゴリー理解一覧表
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PISAのリンク |
P21のリンク |
平成26年度子供の学費調査(2015年12月発表) |
中高の英語指導に関する実態調査 2015(2015年12月発表) |
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English Proficiency Index Report for Schools 2015 |
English Proficiency Index Report 2014(Japanese) |
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Teaching and Learning Strategie
西豪州のSEDERAという健康安全教育に専門特化した組織が作成したハンドブック。アクティグラーニングの具体的な手法が細かく解説してあり、指導法の開発に活かせる内容である。 http://www.sdera.wa.edu.au/